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西村弥子
西村弥子
ソムリエール&ライフスタイルコンシェルジュ
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Lesson2知る人ぞ知る!とっておき“スペインB級グルメ”

「朝バル」「バルランチ」「夜の一杯もバル」・・・。
スペインの人々は暇さえあればバルに急ぐほど。バル通いは、まさに「日常茶飯事」。日本国内にもある「美味しいバル」の見極め方を紹介します。

スペインの食の宝庫はバルにあり!

 「スペインでは、人が住むところには、教会とバルが必ずある」と言われるほど、数多くのバルが立ち並ぶ。午前中はカフェとパンで朝ごはん、昼を過ぎるとタパス(小皿のおつまみ)、夕方のメリエンダ(おやつ)、そして夜はアペリティーボ(食前酒)とタパス。基本は立ち飲みで、カウンターには椅子を置いていないことが多いですし、あっても荷物を乗せて、立っている人もいるくらいです。

 朝、出勤前にコーヒーを飲みながら新聞を立ち読みする女性、ハーブを主に使ったリキュール、アニス酒のショットや、ブランデー入りのコーヒーを引っ掛ける年配男性などもよく見かけます。マドリッドなどのオフィス街では、昼間からビールとタパスでお喋りするビジネスマンで大層な賑わい。美食の街、バル天国と言われるサン・セバスチャンでは、夕刻、行きつけのお店で友人や家族と待ち合わせる人々が、次々と入ってきます。そして、少量のビールやシドラ(シードル)とピンチョス(片手で摘めるタパス)を一つ摘んで、20分位で店を後にする人々が目に付きました。それから、2~3時間後、また同じ店に戻って来るのです。スペイン語で、バルのハシゴは「タペオ」と言います。その店自慢のタパスを好みで楽しみながらグラス片手にお喋りしつつ、何軒も廻るのです。

 なぜハシゴするの?と疑問を抱いていたら、現地で謎が解けました。例えば、マドリッドの有名なバル街には、チャンピオニオン(マッシュルーム)や、海老のプランチャ(鉄板焼き)とアヒージョ(ニンニクオイル煮)など、一つの素材だけを扱うお店があります。また、パタタス ブラバス(辛いソースがけのポテトフライ)専門のバル、など。グラス一杯の飲み物と、食べたいタパスを求めて、店から店へ渡るというわけです。プルポ(たこ)のガリシア風が美味しい店、チョリソ(腸詰)やカジョス(牛の胃袋煮込み)が自慢の店も。「次に何を食べようか?」と考えるとワクワクするくらいに、地方色豊かで、個性溢れるお店が軒を連ねています。当然、仲間とのお喋りにも花が咲き、別れの間際まで絶えることはありません。人々のコミュニケーションは、この「バル文化」に根ざしたものだ、と思えるほどです。

 また、タパス発祥の地、アンダルシア地方はサンルーカル・デ・バラメダという街のバルにて。シェリーを頼んだときに出てきたオリーブの味。とてつもなくフレッシュで、いまだに忘れられません。そして、閉店間際のお店を覗くと、床には紙ナプキンや楊枝、オリーブの種やタバコの吸殻などが沢山落ちています。そうなんです、床のゴミが多い店ほど、繁盛店なのです。スペインのバルは、「庶民の集会所、社交場」。教会と同じく、生活に欠かせない「心の拠りどころ」と言っても過言ではないでしょう。

4年間勤務した恵比寿のメソン&バル「ティオ ダンジョウ」のオーナーシェフであり、スペイン通の間で 師匠 と呼ばれる檀上さんと一緒に。当時の研修旅行では、数々の名店を巡り、舌と心でスペイングルメを体感することができました。→お店の情報は下部に。
1階バルの定番タパス。奥「スペイン風オムレツ」左「ヒコイワシの酢漬け」右「焼きパプリカのマリネ」

スペイン文化の登竜門、美味しいバルの見極め方

 日本でも、数年前からじわじわ増え始めた「スペインバル」という業態ですが、今では飲食業界にかなり浸透してきました。全国津々浦々、個人店から大手資本のチェーン店など、様々なお店がしのぎを削っています。東京だと恵比寿、銀座、神楽坂など、まさに「タペオ」できるくらいにバルが集中しているエリアもあります。地方料理にこだわったお店も出てきました。そこで、スペインバル好きの私の独断ですが、『スタンダードなバルを謳うならコレは外せない』というポイントをお話します。

 まず、飲み物。ビール、赤白ワインは勿論のこと、メニューに「カバ」があるか、チェックして下さい。見つけたら、グラスで頼みましょう。カタルーニャ地方中心に原産する、瓶内二次発酵のスパークリングワインで、シャンパーニュよりグッとリーズナブルで美味しいんです。私の個人的な希望では、お店にはイタリアのプロセッコや、チリのスパークリングではなく、やっぱりカバを置いて欲しい。もちろん、ワイン文化にも地域の独自性があるので、アンダルシア地方のバルでカバは見かけませんし、バルセロナにはシェリーを置くバルはありません。そうであっても、2つのお酒は特別と言えるので、日本でスペイン料理を食べるなら、一緒に味わっていただきたいです。そして、カバをグラスで供出しているお店は、営業に力を入れています。一回開けたら、泡が切れる前に、売り切らなければならないので。だから、カバを見つけたら迷わず注文しましょう。

 次に、シェリー。こちらはアンダルシア地方が原産の、スペイン固有のワインです。ブランデーで酒精強化しているので、普通のワインより少々アルコール度数は高めですが、タパスとの相性は抜群です。数種類置いてあるお店を探しましょう。味わいも色々なタイプがありますので、お店のスタッフに質問してみて下さい。その違いを明確に答えられる人が居れば、本格派です。

 そして、バルといえば、「ハモン」。タパスの主役、生ハムです。カウンターに蹄の付いたハモンがドンと鎮座していると、食欲もそそられます。イベリコ豚でもセラーノハムでも良いのですが、注目すべきはその「切り方」。できるだけ薄く切ってあるかが、ポイント。(なお、部位によっては角切りで出す場合もあります。)良い香りが立ち、口に入れると脂がスッと溶けるのが美味しい。切り方一つで味わい、食感がかなり違います。スペインでは、生ハム切り専門の「コルタドール」という職人がおり、日本でも、その資格試験が行われているほどです。また、現地のバルでもスライサーで切るお店を多く見かけました。肝心なのは、その「薄さ」。バルでハモンを注文したら、一切れを必ず手で摘んで、透かしながら香りをかぎ、楽しみながら味わうのもいいと思います。さらに、カウンターに置いてある、蹄の付いたハモンの肉の断面をチラッと眺めてみて下さい。切断面が水平に保ってあるのが良い状態。カッティングは簡単ではないので、スタッフも日々の鍛錬が必要です。良い状態の生ハムを出すために努力しているかどうか。そういうお店は、きっとタパスも美味しいに違いありません。

「ティオ ダンジョウ」の生ハムは、品質に加え、切り方の技術も本格的。写真は、どんぐりだけでは体重を増やしきれず、飼料を与えられて育った豚(レセボ)。

本場スペインの味と雰囲気を都内で楽しむなら・・・「ティオ・ダンジョウ」

ワイン片手に、数種の生ハムを食べ比べ!

恵比寿にあるスペイン料理専門店「Tio Danjo(ティオ・ダンジョウ)」。1階のバルでは、気軽に本格的なタパスを楽しめます。生ハムは、風味豊かなハモン・イベリコの「レセボ」をご用意。2階のテーブル席では、最高級のイベリコ豚「ベジョータ」と世界の三大ハムのひとつとして有名な「ハモンセラーノ」の2種類が味わえます。もちろん、1階のバルでもすべてオーダー可能。フレッシュかつ味わい深い生ハムの食べ比べをしてみては。

住所:東京都渋谷区恵比寿1-12-5萩原ビル3(JR「恵比寿」駅東口約5分)
電話番号:03-5420-0747
営業時間:1階14:00~0:00(L.O.23:30)2階17:30~23:00(L.O.22:00)
定休日:日、祝

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