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西村弥子
西村弥子
ソムリエール&ライフスタイルコンシェルジュ
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Lesson10世界でもオンリーワン!高貴なワイン「シェリー」をもっと知ろう ~前編~

アンダルシアっ子の食卓の定番「シェリー」は、辛口から甘口まで造られる、世界で唯一無二の酒精強化ワイン。日本を代表する名優、松田優作さんも愛したお酒です。シェリーの概要、豆知識、そして日本国内でも楽しめる専門店をこっそり教えます。

大航海時代に海を渡った「シェリー」は、世界初の“グローバルワイン”?!

 まず、「シェリー」という名称について説明します。Lesson2でも触れましたが、シェリーという呼び方は英語です。シェリー産地の中心、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラという街の名前から、スペイン語では「ヘレス」と呼ばれます。シェリーの故郷ヘレスは、人口18万人程、アンダルシアの地方都市ですが、何世紀にも渡りイギリスなど諸外国とのシェリービジネスに携わってきた町。とても開けた雰囲気があります。シェリーのほかにも、F1クラスのサーキットや馬術(世界有数の騎手養成学校がある)、そしてフラメンコの本場としても国際的にも広く知られています。とはいえ、ヘレスで最も重要な位置を占めているのは、シェリー。スパークリングワインの「カバ」、赤ワインの「リオハ」と並んでスペインを代表する三大輸出ワインの一つです。また、アンダルシアのバルで「ビノ」(スペイン語でワイン)と注文するとシェリーが出てくるくらい、ご当地でも大変ポピュラーな白ワインです。そして、辛口だけでなく、甘口、極甘口なども造られ、味のタイプも様々です。

 また、シェリーの辛口は主にパロミノという白品種から造られます。白亜の石灰質土壌「アルバリサ」で育った白ぶどうのワインに、ぶどう由来のアルコールを添加します。この酒精強化の由来については諸説ありますが、15世紀の大航海時代、船で赤道を渡る樽ワインが劣化しないようにブランデーを入れ、アルコール度数を高めたことが始まり、と言われています。日本でも、17世紀初めにメキシコとイングランドの大使によって江戸幕府に献上され、徳川家康や秀忠が飲んだという記録があるそうです。日本人が初めて口にしたワインは、実はシェリーだったのかもしれませんね。

 そして、明治時代に入り、洋酒が輸入されるようになると、晩餐会や宮中にも供出されました。生前の吉田茂元首相や、俳優の松田優作も愛したシェリーは、その後、日本でも“食前酒の代名詞”になったほど。今では、スペインバルへ行けば気軽に楽しめる、身近なワインとして定着しています。

※シェリーの醸造方法、タイプの違いなど詳しい説明は以下をご参照下さい。
『シェリー ヘレスのワイン』シェリー委員会

ベネンシアという細長い柄杓で、樽の中のシェリーを汲み出しグラスに注ぐと、空気に触れて香りが広がり、口当たりもまろやかに。元来、樽内のサンプルを採って試す職人の仕事でしたが、現在はシェリーのプロモーションで活躍しています。
現地や国内のバル・専門店では樽から直接ワインをサーブするところも。写真はバレンシアにあるアンダルシア風酒場。右の樽は「MONASTRELL」でバレンシアご当地の赤ワイン。左「PX」は「ペドロヒメネス」という極甘口シェリー。ブドウを天日干しして造る天然甘口ワインの一種で、黒蜜のようにトロリと濃密。
アンダルシアは、世界でも最大のオリーブ生産地です。オリーブの実には、ミネラルをはじめ、ビタミン、ポリフェノール、植物性スクワラン、オレイン酸など多くの有効な天然成分がたっぷりで、美肌や体力回復にも効果的。もちろんシェリーとの相性も抜群です。

樽を積み上げる「ソレラ」という独特の方法で3年以上熟成されます。一番上の樽には最も若いワインが入っており、段ごとに注ぎ足されていきます。そして、一番下の段が最も古いワインとなり、ここから出荷されます。こうして熟成年数の異なるシェリーを全てブレンドすることにより、常に一定の品質を保つことが出来るのです。ボデガ(樽)の写真はいずれもサンルーカルで1792年創業のイダルゴ社。
蔵のオーナーさんが、実際にベネンシアを使って樽からシェリーをグラスに注ぐシーン。これは「オロロソ」というタイプ。酸化熟成した辛口で、「ビエホ」はその中でも古いもの。マホガニー色で胡桃やナッツのように香り高くコクがあり、口当たりはまろやか。紹興酒にも似ているとも言われる。

プロのベネンシアドール※に会えるお店

『しぇりークラブ』(東京・銀座、京都・石塀小路) 「シェリーの品揃え世界一」でのギネスブック認定の老舗バー。

『バル・デ・オジャリア』(東京・銀座、恵比寿) ベネンシアドールで本の著者、中瀬氏ほか熟練のベネンシアドーレスが提供する、こだわりのスペイン酒場。

『ヘミングウェイ』(大阪・心斎橋) ベネンシアドール&シニアソムリエ、オーナー松野氏の情熱トークとこだわりのシェリーが魅力。

『バル・キンタ』(大阪・北新地) アンダルシアを心底愛するベネンシアドール 萬川氏のお店。

※ベネンシアを使って樽からシェリーを汲み出し、グラスに注ぐ優れた技術を持つ人

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