秋のおもてなしは「名残の茶事」をイメージした和のイメージで。
今回は以前私の教室のレッスンで行った「秋の和のおもてなしテーブル」をご紹介します。茶の湯では、新茶を使い始める「炉開き」の前に、前年のお茶を名残惜しんで陰暦8月末日から9月(現在の10月)にかけて催す茶会を「名残の茶事」といって、土色の器などを使います。
その 「名残の茶事」にインスパイアされた、和の持つ渋めのおさえた色や雰囲気を取り入れた、ご家庭で簡単に作れる懐石風アレンジのおもてなしテーブルです。クリスマスやお正月などのパーティーやお祝いの華やかなシーズンを前に、ぐっとおさえてシックな器、ランナーなどで仕上げていきます。花器にはお重箱を使い、生けるのは紅葉などの秋の植物。私のレッスンではゴテゴテしないことをモットーにしていますが、和のコーディネートについては、特にシンプルにおさえるのが好きです。
旬の食材をふんだんに使ったメニューは見た目にもおいしい。
お料理でも華美な感じはおさえ、あえて素朴に「名残」の雰囲気に合うようにメニューを考えました。シンプルでもしっかりと秋を感じられる「いかの菊花和え」。器に見立てることもでき、味もおいしい秋茄子は秋のおもてなしには欠かせません。今回は、「帆立貝の白味噌焼き」と、「牛肉と茄子の赤だし味噌焼き」。同じように味噌を使う料理が重なっても、白味噌と赤味噌などで使い分ければ、味わいも全然違って楽しめます。
お料理やテーブルの飾りにも使う紅葉は、お庭の紅葉をとったり、時にはお散歩先の公園で見つけた絶妙な色合いの落ち葉が活躍することも。
「野菜の白和え」「胡麻風味だれの冷しゃぶ&冷やしうどん」なども取り入れてメニューを組み立てます。