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世界に雅な風をおくった日本の扇子

2014年08月03日山本ミッシェール

今夏も連日、猛暑が続いていますがいかがお過ごしですか?そんな日本の夏、厳しい暑さをしのぐのに欠かせないのが扇子です。今回は、携帯にも便利でいつでも涼をとることが出来る扇子の歴史や魅力をご紹介します!

ミッシェールです!

はじめまして!
今月からコラム「国際派キャスター 山本ミッシェールの和美探訪」を書かせていただくことになりました山本ミッシェールです!現在はNHK国際放送局のテレビやラジオの英語放送で日本の最先端技術を持つ匠の取材や、日本の伝統文化やポップカルチャーなど様々な番組を通して世界140の国と地域で放送をしています。
アメリカで生まれ、イギリス、フランス、ドイツで育つ環境の中、家の中では母が日本人の心を忘れないようにと色々な工夫をしてくれていました。そのため、私もいつしか日本には強い憧れがありました。日本に暮らすようになってからは取材で全国各地を訪れ、ますます日本の魅力に夢中になっています!
そんな私が出会った素敵な日本をこれからたくさん紹介していきたいと思います!

~扇子~夏の彩り

日本の夏、手元を華やかに彩る扇子。 厳しい暑さをしのぐのに欠かせませんね。私も小さい頃から愛用しているものの一つが日本の扇子です。涼やかな季節の草木が描かれた扇子の繊細さや、扇子の香りの優雅さはヨーロッパでも夏に使っていると必ず注目され「なんて素敵なんでしょう!」といつも声をかけられました。日本の扇子の軽さやコンパクトさ、シンプルな美しさがコミュニケーションのきっかけになりました。

フランス語では「Évantail」、英語では「Japanese Folding Fan」と呼ばれ、特に華やかな扇子はお土産としても大変喜ばれるものの一つです。数年前にフランス人の親友が結婚したのは記録的な暑さの真夏のノルマンディーの古城だったのですが、もちろんエアコンも無く皆が困っていた時に私がお土産に持っていった20本ほどの扇子が大活躍でした!

日本でも最近は取り入れている方も多いのですが、ヨーロッパの結婚式では「Something Four(サムシングフォー)」と呼ばれるジンクスがあります。Something old(なにか古いもの); Something new(なにか新しいもの); Something borrowed(なにか借りたもの); Something blue(なにか青いもの)と呼ばれ花嫁の幸せを願い結婚式当日に身につけることによって花嫁は生涯幸せな結婚生活を送ることができるとされています。親友はSomething new(なにか新しいもの)として私のプレゼントした扇子を手にパタパタと扇ぎながらお嫁に行きました!

大航海時代に海を渡ったクール・ジャパン

実は、折りたためる「扇子」は平安時代に日本で誕生し、大航海時代(16世紀頃)に海を渡った「クール・ジャパン」アイテムのひとつだという事はご存知でしたか?扇子は日本を訪れたポルトガルの宣教師や貿易商たちが持ち帰りヨーロッパに広まったとされています。当初は日本やヨーロッパでも貴族だけが使うおしゃれなアクセサリーのようなものでしたがフラメンコの時に使われるなど独自の発展をとげました。17世紀のパリには扇を扱う店が150軒を数えるほど貴婦人の間でも大流行しました。
またスペインの宮廷では、貴婦人の言葉の代わりになるコミュニケーションツールとして、「扇子言語」が大流行!扇子を用いたジェスチャーで様々な心を寄せる男性にメッセージを送っていたそうです。
・顔を隠しながら扇子をパタパタさせる⇒ほめられて恥ずかしいです。
・閉じた扇子を右頬に掲げてふりむく⇒私のことを好きですか?
他にも色々とあります!今度から映画や絵画での扇子の使われ方が気になりますよね!

日本の扇子はラブレター!

今回、創業から400年以上、江戸時代から続く団扇や扇子の老舗「伊場仙」の14代目、吉田誠男社長に詳しくお話しを伺ったところ、最近は女子高生など若い女性や男性も扇子を使うようになってきているそうです。その理由として考えられるのは100円均一のお店などでも安く買えるようになったことだと言います。吉田社長によると「最初は安い扇子からでもいいのですよ。下敷きをバタバタしているよりも扇子を使う姿のほうが優美です。良さを知っていれば、本当に良い物は大人になってから持てばいいのです」。

また、扇子はかつて扇面に写経をしたり、和歌を書いて自分の好きな人に思いを告げるラブレターとしても使われていたそうです。そして吉田社長はこの雅な風習をまた現代に甦らせたいとも話していました。もしかしてバレンタインはチョコレートではなくて扇子が会社などで渡されるようになるかもしれませんね!

粋な「江戸扇子」!

江戸の縁起がよいとされる柄をデザインした新作の扇子

扇子の産地として京都は有名ですが東京でも貴重な伝統技術として受け継がれています。「京扇子」が職人の分業制で製作され、87の工程があることに対し、「江戸扇子」は30の工程の全てを一人で行うのが特徴です。そのため、修行も時間がかかり、今では数人の職人しかいません。絵柄なども粋ですっきりとしている江戸扇子は折幅が広くて、骨の数も京都より少なめです。それまでは高級品だった扇子は職人たちの知恵と工夫で江戸時代後期から庶民のものになったそうです。

古くて新しい!

「伊場仙」ではデザイナーとのコラボ扇子のほか、「ドラえもん」を浮世絵にとけ込ませた新しく楽しい江戸扇子作りもしています。しかし、吉田社長によるとこれは新しいことではなく、「今も昔もやっていることは一緒なんです。昔は浮世絵も流行りものであったし、今でいう漫画とまったく一緒です。当時は歌川国芳の擬人化したコミカルで愛らしい猫の戯画の浮世絵を団扇などに使いました。」

扇子の香りでアロマテラピー効果!

最後におすすめ情報!
扇子は涼しい風はもちろんですが、扇いだ時に香りも同時に楽しむことが出来ます。例えば白檀(ビャクダン)を使ったものは、扇ぐたびにほのかな香りが漂ってきます。白檀と呼ばれるサンダルウッドの香りには免疫効果を高めるばかりではなく、なんと肌を柔軟にし、シミや肌荒れにも効果があるそうです。夏の日差しで疲れたお肌への効果が期待できますね!そして扇子の風は女性に本当に優しい風だったのですね!

今年は粋な江戸扇子や女性の味方、白檀の扇子を持ってお出かけしてみませんか?

今回記事で使わせていただいている扇子の写真は全て現在販売中です。

*「伊場仙」
■営業時間 
午前10時~午後6時
※土曜日は午前11時~午後5時(5月から8月までの期間)
■定休日 日曜日・祭日
■住所  東京都中央区日本橋小舟町4番1号 伊場仙ビル1階
■電話  03-3664-9261
http://www.ibasen.co.jp/

山本ミッシェール

yamamoto michelle

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元NHK記者。現在NHK国際放送局のアナウンサーとして活躍。「Science View」では全国を駆け巡り、日本の技術力を支える「匠」を世界にリポート。アメリカで生まれ、幼い頃からイギリス、フランス、ドイツなどで海外生活を経験。国際的な感覚をもちながらも、日本の伝統的な「和の美しさ」に対する関心は高い。記者時代に過ごした京都をはじめ、日本の伝統美の取材を独自で続けている。その他、コミュニケーション指導として、桜美林大学講師、各企業での講演会等でも活躍中。
著書「見るだけ30分!!あなたに合った「聞く」「話す」が自然にできる!」(すばる舎)

関連リンク: ミッシェールのスマイル・カフェ(ブログ)


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