1. 美容情報トップ
  2. アラフォー総研
  3. コラム
  4. 山本ミッシェール
  5. 盆栽 ~手のひらで愛でる自分だけの季節~

盆栽 ~手のひらで愛でる自分だけの季節~

2015年02月04日山本ミッシェール

「盆栽」と聞いて皆さんが想像されるのは何でしょうか?おじいさんの趣味?何百万もする高価なもの?
海外でも近年人気が高い「BONSAI」は最近日本の女性にも多く楽しまれるようになってきました。今回は、手軽で私たちの生活空間にあった盆栽の魅力についてご紹介します!

~盆栽の「いま・むかし」~

「四好今様美人 植木好」 作者:三代 歌川豊国 大宮盆栽美術館蔵

まずは簡単に盆栽の歴史を紐解くと…
盆栽の歴史は古く中国、唐王朝の時代に「盆景」と呼ばれ、小さなお盆の上に木や花を飾り山水の景色を再現したことから始まったとされます。そして日本の公家や武士に伝わったのは平安時代で2000年ほど前。その後、大園芸ブームが起こった江戸時代には「盆栽」という名前が定着しました。当時、江戸の商人たちの力が強くなり高額なものや珍しいものが集められ、収集されました。

まだ江戸時代だった1860年にイギリスから来日したプラントハンターで植物学者のロバート・フォーチュンは、日本では上流階級から庶民まで幅広い人たちが園芸を楽しみ英国より進んでいることに感動した、という記録が残っています。ちなみに「プラントハンター」(英: Plant hunter)とは、主に17世紀から20世紀中期にかけてヨーロッパで活躍した職業で、食料・香料・薬・繊維等に利用される有用植物や、観賞用植物の新種を求め世界中を探検・冒険する人で日本にも珍しい植物などを求めてやってきていました!

明治時代にはお金持ちのステータスシンボルとなりましたが、戦後になると広く庶民の間にも盆栽が定着しました。そして今、また違った形で盆栽は再評価されています。

~世界のBONSAI~

アメリカとフランスで発売されている盆栽の専門雑誌

海外への輸出が本格的に盛んになったのは40年ほど前からで盆栽は欧米諸国でも日本文化として認知度を高め、その芸術性や美しさから多くの熱心なファンに愛され「BONSAI」という言葉も今は国際語にまでなっています。
なお、日本には、「専門学校」のように盆栽について学べる学校はありませんが、海外では日本の盆栽を学びたいという人が増えていて、中国やホンコン、フランス、イタリアなどに、盆栽学校があります。
日本貿易振興機構(JETRO)によると、盆栽と庭木を合わせた輸出額が2011年には過去最高の67億円に達し、この10年間で10倍近い伸びを記録したそうです!
主な輸出国は中国、イタリア、オランダ、ベトナム、米国などでアジア諸国では富裕層のステータスシンボルとして、欧米ではインテリアとして定着しつつあるといわれています。

~世界のブームのきっかけは映画?!~

映画『ベスト・キッドIII』(原題:The Karate Kid III)

海外の専門家によると、1990年代に世界的に若い世代に盆栽が広がった要因のひとつとして、1984年に公開された映画『ベスト・キッド』(原題:The Karate Kid)のシリーズも大きいといわれています。ちょっと面白いですよね!

そのころ日本では、盆栽はお年寄りの趣味として認識され、消費が低迷するなど海外における人気とは反対の道をたどっていました。
ところが近年の海外のおしゃれな若い層からの支持もあり、今ではインテリアの一部として盆栽が国内でも再認識されています。より現代の生活空間にあった様々な新しい提案や、手に取りやすい価格帯での盆栽が増えたことも大きな理由です。そして何より身近に自然を感じることの魅力も再確認されています

~小さな、小さなミニ盆栽~

出典:http://jp.pinterest.com/

海外からのインテリアとしての新しい感覚に加え最近は「豆盆栽」もしくは「ミニ盆栽」と呼ばれるとっても小さな盆栽にも注目が集まっています。
中には指に乗ってしまうほど小さなものまで!極小サイズの盆栽は新しく感じますが実は歴史は江戸時代にまでさかのぼります。古くて新しい、かわいい要素満載のこの盆栽は場所も取らないので会社のデスクにも置きやすいですね!!

~大自然を手のひらに~

品品で「桜のミニ盆栽作り」ワークショップ を体験しました!

いま自分で作る盆栽教室や体験が大人気です!私も東京都内にショップとギャラリーを構える「品品(shinajina)」で体験レッスンを受けてきました!八重の花びらが豪華な旭山桜の盆栽です!この木の下でお花見ピクニックをしている自分を想像しながら作りました!春が待ち遠しいです!

今回お話を伺ったのは、盆栽の世界に新風を吹き込んだことでテレビや雑誌でも活躍されている景色盆栽作家で「品品」の代表取締役 小林健二さん。小林さんによると、「盆栽は限られた小さな空間の中に雄大な自然を表現し、自然の風景に“見立てる”。盆栽を楽しむことによって想像力も生き生きと膨らみます。」



~『景色盆栽』誕生のきっかけ~

「品品」の代表取締役 小林健二さん

小林さんと盆栽の出会いは23歳の頃、デザイナーとして公共の大規模な緑を作る仕事をしていた設計事務所時代の師匠の一言からでした。ランドスケープデザイナーの榊原八朗氏から盆栽の勉強を勧められ、榊原氏の紹介で米国で盆栽の空間構成を学んだことにあります。その海外生活の中で日本のことを聞かれることが多く、改めて日本を見直すきっかけになったそうです。

そこから日本に帰ってからも若い人たちの生活にもっと盆栽を取り入れる手法があっても良いのではないかと考えた結果生まれたのが『景色盆栽』という小林さんの独自のスタイルでした。小さいサイズで使う器は従来のものとは違い、白やメタリックなもの、コロンとしたもの、ハリネズミや小鳥など動物のデザインのように今の生活空間により合うものが使われます。

~360度の小さな美~

写真:品品

小林さんによると「盆栽は表情豊かで、季節ごとにいろんな顔を見せてくれます。例えば春は植物の芽吹きや、秋の紅葉、冬の落葉、ただ外を歩いているだけでは気がつかない自然の持つ表情を1本の木から見て取ることができる。また朝の水遣りの時間を持つ心のゆとりや四季を愛でる気持ちを思い出すことでより生活は豊かになりますよ」。なお、盆栽とは360度、すべての方向から楽しめる手のひらサイズの美でもあることを知りました。

忙しい日常に追われる生活だからこそ、お部屋の中に「小さくても大きな自然」を置いてみることで楽しみが増えますね。もしかして鳥の気持ちも分かるようになるかもしれません!

2015年は盆栽と暮らす生活を始めてみませんか?

取材協力:

品品(shinajina)
有限会社 品品
〒158-0083
東京都世田谷区奥沢2-35-13
tel.03-3725-0303   
fax.03-3725-0360
営業時間 10:00~19:00、
水曜定休
景色盆栽の品品ホームページ
http://www.sinajina.com/

山本ミッシェール

yamamoto michelle

このライターのコラムをもっと見る >>

元NHK記者。現在NHK国際放送局のアナウンサーとして活躍。「Science View」では全国を駆け巡り、日本の技術力を支える「匠」を世界にリポート。アメリカで生まれ、幼い頃からイギリス、フランス、ドイツなどで海外生活を経験。国際的な感覚をもちながらも、日本の伝統的な「和の美しさ」に対する関心は高い。記者時代に過ごした京都をはじめ、日本の伝統美の取材を独自で続けている。その他、コミュニケーション指導として、桜美林大学講師、各企業での講演会等でも活躍中。
著書「見るだけ30分!!あなたに合った「聞く」「話す」が自然にできる!」(すばる舎)

関連リンク: ミッシェールのスマイル・カフェ(ブログ)


ピックアップ
読者エディター
美の賢人ブログはこちら
ピックアップ