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江戸時代以来の新作!神社から生まれる美しい文様

2014年12月26日山本ミッシェール

2014年もそろそろ残り少なくなってきて2015年もすぐそこに!
年始には初詣に行かれる方々も多いかと思いますが、これから神社の新しい楽しみ方を増やしてみませんか?

~京都と東京、歴史と未来をつなぐ~

「impact HUB kyoto」 撮影:Yasutake Kondo

紅葉が美しかったこの秋、京都で行われたイベント「AS2 Autumn Hisashi Yoshida×village展 -One Hundred」に行ってきました!
神社の神主(かんぬし)が着る狩衣(かりぎぬ)や、賽銭箱など神社にあるものを全て取り扱っている、京都の吉田装束店の3代目吉田恒さんと、東京デザインプレックス研究所の若手デザイングループvillage(芦田 宗矩、高山 淳平、熊川 俊介、田中 遥子 敬称略)による江戸時代以来、初となる新作の文様を用いた「狩衣」の発表会でした。
テーマは「100年後の日本の伝統的な文様と認識される未来の伝統文様作り」!

~神主の装束から1300年の時を感じる~

有識文様(ゆうそくもんよう)写真:吉田装束店

皆さんご存知でしたか?実は神主の普段着である「狩衣」は平安時代から1300年も変わっていないということを・・・。かつて平安貴族が狩りの時に着ていた着物がそのままの形で受け継がれて残っています。そして当時から貴重だった絹織物にいたっては、限られた道具で失敗なくきれいに作れるように工夫された布の裁ち方・縫い方にいたるまで製法は今も昔もずっと同じ。

そしてローマ、ペルシア、インド、西域、中国など西方諸国の影響を受けた文様がシルクロードを経て日本に伝わり神主の装束のデザインに使われている様々な有識文様(ゆうそくもんよう)として平安時代に公家の装束などに使用されるようになったそうです。

その後、上手に日本の文化風土に取り入れながら作られてきた文様の数々は江戸時代以降、新たに神主の装束に使われる事はなく昔のものが使われ続けました。なので、今回の発表会は本当に画期的な出来事でした!

~平成生まれの文様~

「ハイビスカス(波立枠地紋に洛神花)」撮影:Yasutake Kondo

江戸時代から変わらなかった有識文様・デザインに新しい息吹を吹き込むために、吉田さんが若手デザイナー達と共同作業で「文明の時代だからこそ見ることができるようになったもの、現代だからこそ可視化できるもの」に目を向けることから始まりました。

デザイナー達が作り出した膨大なデザインの中から選ばれたのは3つ!まずは最近増えてきた女性の神主さんたちに着てもらいたい華やかな「ハイビスカス(波立枠地紋に洛神花)」、ありそうなのに実はなかった「フウセンカズラ(蔓(かずら)の丸)」、そして驚きの「流氷の天使」あるいは「氷の妖精」とも呼ばれる「クリオネ(霰地紋に裸亀貝)」文様!

これらを伝統的な技法の織り方などと組み合わせることで歴史と現代が融合しまったく新しい、でもどこか落ち着く美しいデザインを完成させることができました。

~100年後に残るデザインを目指して~

クリオネ(霰地紋に裸亀貝)」撮影:Yasutake Kondo

今回の新しい文様のデザインにおいて、若手デザイナーグループvillageにとっても、吉田さんにとっても大きな挑戦となりました。デザイナー達は一年前に初めて知った神主の装束や文様を一から調べて学ぶところからのスタートでした。villageのメンバーの一人、田中遥子さんは文様を「その時代のモチーフを反映させた時代の鏡」と捉えてデザインを考えたそうです。

吉田さんにとっては、古いしきたりの中、批判されることも覚悟で、40代の若手だからこそできる「新たな時代作り」への挑戦でもありました。そして伝統への新たな気づきもありました。「このプロジェクトをきっかけに、実は昔からある文様は凄いなと、研ぎ澄まされているなと感じました。実はむかしの文様は嫌いという気持ちから始まったのに・・・普遍的な隙がないデザインに驚きました」。そしてこれらの葛藤を乗り越え、100年後には日本の伝統的な文様と認識されることを目指して新たなデザインが誕生しました。

~神社をもっと身近なスポットに~

写真:吉田装束店

発表を終えた吉田さんと京都で改めてお話をうかがう機会を頂きました。その中で,
今回の新しい装束の発表も若い人たちが神社に足を運ぶひとつのきっかけになればと、話していただきました。

「今は初詣やお宮参り、七五三、厄払いなど決まったときにしか人は神社に来なくなってしまった。昔はもっとみんなの生活に密着していて参道を中心に経済も循環していました。でも核家族化が進み神社とのかかわり方がわからない人たちも増えていると思う。時代に合った形で、人々が神社とのつながりを取り戻すためにも、もっと気楽に、そして自然につかってくれればいいのではないか。例えば神社でお弁当を食べたり、デートの待ち合わせをしたり、最近女性に人気がある御朱印集めなんかもいいですね。神社は本来コミュニティー・スポットなんです。どんどん利用してまた人が集まる場所に戻るのが理想です。それに拝観料もありませんよ。」

「フウセンカズラ(蔓(かずら)の丸)」撮影:Yasutake Kondo

そして2015年1月24日に平成生まれの装束の東京での発表会が決まりました!私もトークショーでお手伝いをする予定です!ぜひ未来への贈り物になる平成生まれの文様を見に、そしてなかなか会うことができない装束司(しょうぞくし)や若手デザイナーの話を聴きにいらしてください。
第1回「神社から美しいデザインが生まれる瞬間」@東京LOUNGEトークショー
場所:ビジネスエアポート東京
東京都 千代田区丸の内1-1-3 日本生命丸の内ガーデンタワー3階
日時:2015年1月24日 15:00~17:00
https://www.facebook.com/events
/1564598343752299/

写真:AS2

取材協力/
吉田装束店
住所:京都府京都市上京区室町通上長者町下る清和院町555-2
TEL:075-441-3797 
FAX:075-441-3799
http://www.shouzokushi.com/

東京デザインプレックス研究所
http://www.tokyo-designplex.com/

village
https://www.facebook.com/village04

山本ミッシェール

yamamoto michelle

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元NHK記者。現在NHK国際放送局のアナウンサーとして活躍。「Science View」では全国を駆け巡り、日本の技術力を支える「匠」を世界にリポート。アメリカで生まれ、幼い頃からイギリス、フランス、ドイツなどで海外生活を経験。国際的な感覚をもちながらも、日本の伝統的な「和の美しさ」に対する関心は高い。記者時代に過ごした京都をはじめ、日本の伝統美の取材を独自で続けている。その他、コミュニケーション指導として、桜美林大学講師、各企業での講演会等でも活躍中。
著書「見るだけ30分!!あなたに合った「聞く」「話す」が自然にできる!」(すばる舎)

関連リンク: ミッシェールのスマイル・カフェ(ブログ)


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