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「旅しよう!」そう決めないと、旅は始まらない!

2015年09月02日木内アキ

「忙しい」「休みがない」「時間がない」「家族の予定と合わない」……アラフォー世代にとって、旅行に行けない理由を見つけるのはとても簡単なことです。私のまわりを見回しても、子育てがはじまったり、仕事の責任が増えたりするのと同時に旅から遠ざかってしまう女性がたくさん。一方で、結婚しようと子どもが生まれようと、旅を続けている人たちも少なからずいます。今回はそんなひとりの女性の生の声から旅を考えてみたいと思います。

思い切って、ママと子どものふたり旅

都内のデザイン会社で働いているサトコさん(仮名)は現在47歳の3児のママ。旅行が好きで、年に1度のペースで海外旅行に出かけています。

「最初は旅行に行くなら家族全員で…と考えていたのですが、全員分の用意はすごくお金がかかるし、夫が忙しくて休みを取ってもらうだけでもひと苦労。じゃあ、私と子どもたちだけで、と思うと中学生・小学校高学年の上の子はもう親と一緒に出かけたがりません。祖父母に預けて私だけ出かけちゃおうか?とも考えましたが、末っ子はまだ保育園なので置いていくのは心配。『子どもが大きくなるまで旅行は無理かも』と一時は諦めモードに入っていました」

ジブリ映画の世界を思わせる、台湾・九ふんの風景。幼少期の忘れられない思い出になりそう。

しかし末っ子が成人するのを待っていたら60歳を超えてしまう、とサトコさんはハッとしたのだそう。
「急に『老後』がリアルになって恐くなりました。忙しい夫に変わって、仕事をしながら家事や育児にバタバタと追われる毎日。『母』としての責任で頑張っていましたが、目がつり上がるくらいイライラもしていて。自分で何か楽しみを切りひらかないとダメになる、と感じたんです」

そこで考えたのが、実母に上の子ふたりの面倒を頼み、末っ子は海外旅行に連れていってしまう方法。部活や友だちと遊ぶことのうほうが大事な上の子たちは「あっそう、いってらっしゃい」との返事。夫は最初反対していましたが、サトコさんの固い決意に「好きにしろ!」と半ば投げやりにOKしてくれたのだそう。

「最初から遠出は不安だったので、まずは近場の台湾に。飛行機の中でぐずられるか心配でしたが、行きも帰りも絵本を読み聞かせして何とか乗り切りました。台湾の人たちは子どもにとても親切で、食事をしていても声をかけてくれたり、子どもを抱いて電車に乗っていると『座りなさい』と席を譲ってくれたり。二泊三日の旅でしたがものすごく心が元気になり、家に帰ってから仕事にも家事にもやる気が出ちゃって(笑)。それを見ていた夫が『ときどき、行ってくれば』と言ってくれたんです」

ママ友からの悪口にショック!

それから、ここ数年子連れふたり旅を楽しんでいるサトコさん。ストレスも軽減し、仕事も家庭も順風満帆…と思いきや、意外なところで足をすくわれました。
「二番目の子の小学校のママ友グループに、陰口を言われていたんです!『家事や育児を放棄して、自分勝手に遊んでばかりいる』とか『お金がある自慢の表れ』とか。なかでも『親の勝手で、連れ回される子どもがかわいそう』と言われていたと知ったときは、かなり落ち込みました」

親の勝手で子どもを連れ回すのはかわいそう?子どもがどう感じるかは、子どもたち本人が決めることなのかもしれません。

友人を介して偶然知った心ない言葉。しばらくは憤りを感じていたそうです。
「お金については、共働きとはいえすごくお金に余裕があるわけでもないです。自分のお小遣いから貯金して旅費は捻出しています。もちろん旅行に行くお金を貯金にまわせば、もっと貯まると言われるとその通りですよね。子どもを置いていく・連れていくのはたしかに自分勝手かもしれませんから、子どもたちに『イヤ』と言われたらいつでもやめるつもりです。それでも家族の中では『ママ、そろそろ旅行行ってきなよ』と言ってもらえるくらい、いい雰囲気だったのですが…」

もう旅行はやめよう、そう決めかけたとき、なんと「やめるな」と背中を押してくれたのは実母でした。
「落ち込んでいる私に電話をかけてきて『いつまでもお母さんが子どもにベッタリ、じゃダメよ。今は時代が変わって、女性たちものびのび生きられるんだから、私が元気で孫の面倒をみられるうちにどこでも出かけなさい!』と。私の父は亭主関白で、母は兄と私の子育てを一手に引き受け、旅行どころではない人生でした。それなのに……と思うと泣けてきて」

言いたい人には言わせておこう、そう割りきって元気を取り戻し、半年ほど経ったある日。意外な人が声をかけてきました。それは陰口を言っていたママ友グループのひとり。
「子どもと台湾に行くんだけど、たしかサトコさん、行ったことがあると思って」
なんでも、もう一人のママ友&子どもと4人で旅行をすることにしたのだとか。子連れで快適だったホテルやレストランなど、サトコさんは惜しみなく情報を教えてあげました。

いろんな事情を乗越えて、旅してみよう!

ママ友同士、一緒に子どもの面倒をみながら旅するのなら、ひとりで子連れ旅するよりもずっとハードルが低くなりそう!

後日、旅行から戻ってきたママ友に「お土産を渡したい」とお茶に誘われ、同時に謝られたのだとか。
「そのママ友ふたりは親に子どもを預けられる環境ではなかったり、夫の反対があったりする事情があって、母に面倒をみてもらって出かける私に腹が立っていた、と言われました。『気まずくなっていてゴメン。ひとりで行く勇気はなかったけど、思い切ってふたりで子連れ旅行してみたらすごく楽しかった』と素直に伝えてくれて、私も周りに配慮が足りなかったかもしれない、と申し訳ない気持ちになりました。それからは旅行の情報を交換するよい関係になっています」

*****

サトコさん、ママ友、サトコさんのお母さん。旅をするのがいい、しないのがダメという話ではなく、どの立場の女性たちの気持ちも分かる気がします。アラフォー世代の日常にはいろいろ制約があるかもしれないですが、なんとか工夫をして自分なりに旅をしてみれば、日常に彩りを添える楽しい思い出や変化を呼びこんでくれるのではないでしょうか。そのためには「旅に出よう!」と決める、そんなはじまりのエネルギーが一番大切なのかもしれませんね。

木内アキ

Kiuchi Aki

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北海道旭川市生まれ。神田外語大学 外国語学部 英米語学科を卒業後、アパレルのプレス業務を経て、フリーランスのライターに。"オンナの自然で楽しい暮らし"をテーマに旅・衣・食・雑貨の記事を手がける。目標は「きちんとした自由人」。執筆の傍ら、夫と共にフェアトレード雑貨のアトリエショップ『nomadicraft』を運営中。



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